建設業許可申請に必要となる書類は、提出が法令により定められた「法定書類」と、法定書類記載事項の確認を行うために各行政庁が提示等を求める「確認書類」に大別されます。
一般的な確認書類は次のとおりです。なお、官公署等により発行された書類の確認書類としての有効期間は原則として3ヵ月間とされています。(確認書類に係る取扱いは各行政庁その他個別の事情により異なることがありますのでご注意下さい)
経営業務の管理責任者に係る確認書類
「現在の常勤性を証明する書類」及び「経営業務の管理責任者としての経験を証明する書類」が必要となります。
現在の常勤性を証明する書類
一つの書類のみで証明可能なものは次のとおりです。(※)
勤務先の特定可能な「健康保険被保険者証」 |
二つ以上の書類で証明可能なものは次のとおりです。(A欄+B欄+C欄の書類で証明します)(※)
A欄 | B欄 | C欄 |
勤務先の特定不能な次のいずれかの書類 「健康保険被保険者証」 「国民健康保険被保険者証」 「後期高齢者医療被保険者証」 |
「雇用保険被保険者証」 | なし |
「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者区分「1」又は「5」)」 | なし | |
「住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)」 | なし | |
「厚生年金標準報酬額決定通知書」 | なし | |
「法人税確定申告書(表紙+役員報酬手当等内訳書)」 | 「所得証明書(市区町村発行)」 | |
「源泉徴収票」 | 「所得証明書(市区町村発行)」 |
(※)上記以外にも、「住民票の写し」等の現住所の確認ができる書類を求められる場合もあります。このとき、現住所が住民票と異なる場合には現住所に係る「賃貸契約書」や「公共料金の領収証」等の書類で現住所を証明していく必要があります。
経営業務の管理責任者としての経験を証明する書類
建設業許可を受けていない事業者での経験(個人事業主としての経験)を証明する書類は次のとおりです。(A欄+B欄+C欄+D欄の書類で証明します)
A欄(必要年数分) | B欄(必要年数分) | C欄(年1件)(※) | D欄(年1件)(※) |
「確定申告書」 | 「所得証明書(市区町村発行)」を必要年数分 | 「契約書」 | なし |
「注文書」 | C欄に対応する「請書の控え」 | ||
「注文書」、「請求書」又は「見積書」 | C欄に対応する「発注者の発注証明書」 |
(※)C欄及びD欄記載の書類は工事の内容、業種及び請負実績を確認できるものに限ります。また、A欄又はB欄記載の書類のどちらか一方が不足する場合には、C欄及びD欄記載の書類はその不足する期間につき原則として月1件必要となります。
建設業許可を受けていない事業者での経験(法人役員としての経験)を証明する書類は次のとおりです。(A欄+B欄+C欄の書類で証明します)
A欄(必要年数分) | B欄(年1件)(※) | C欄(年1件)(※) |
「登記事項証明書(証明する期間について、その法人の目的及び継続して役員であったことが確認できるもの)」 | 「契約書」 | なし |
「注文書」 | B欄に対応する「請書の控え」 | |
「注文書」、「請求書」又は「見積書」 | B欄に対応する「発注者の発注証明書」 |
(※)B欄及びC欄記載の書類は工事の内容、業種及び請負実績を確認できるものに限ります。また、A欄記載の書類につき、その法人の目的から業種を確認できない場合には、B欄及びC欄記載の書類はその期間につき原則として月1件必要となります。
建設業許可を受けていた事業者(現に許可を受けている事業者を含みます)での経験を証明する書類は次のとおりです。(A欄又はB欄いずれかの書類で証明します)
A欄(過去に経営業務の管理責任者として証明されている場合) | B欄(過去に経営業務の管理責任者として証明されていない場合)(※) |
「建設業許可申請書の副本」 又は 「経営業務の管理責任者証明書(様式第7号・変更届)の副本」 |
「経営業務の管理責任者としての経験年数を確認できる申請書類の福本」等 例として法人の役員の場合では「登記事項証明書(履歴事項全部証明書、閉鎖登記簿謄本等)」及び「建設業許可通知書」等 例として建設業法施行令第3条に規定する使用人の場合では「変更届出書(着任時及び退任時のもの)の副本」及び「営業所一覧表(別紙2(1)又は(2))の副本」等 |
(※)過去に建設業許可を受けていた事業者において法人の役員、個人事業主(支配人登記をしていた場合)、支配人、その他支店長や営業所長等の建設業法施行令第3条に規定する使用人であった方が該当します。
営業所の専任技術者に係る確認書類
「現在の常勤性を証明する書類」、「実務経験を証明する書類(実務経験が要件となる場合)」及び「指導監督的実務経験を証明する書類(指導監督的実務経験が要件となる場合)」が必要となります。
現在の常勤性を証明する書類
経営業務の管理責任者に係る確認書類と同様です。
実務経験を証明する書類(実務経験が要件となる場合)
次のとおりです。(A欄+B欄+C欄の書類で証明します)
建設業許可の有無 | A欄 | B欄 | C欄 |
受けていない期間 | 「契約書」 | なし |
次のいずれかの書類 「健康保険被保険者証(事業所名及び資格取得年月日記載のもので、現に在職している場合に限られます)」 「厚生年金加入期間証明書」 「被保険者記録照会回答票」 「住民税特別徴収税額決定通知書」 「法人税確定申告書(表紙+役員報酬手当等内訳書)」 |
「注文書」 | A欄に対応する「請書の控え」 | ||
「請求書」等 | A欄に対応する「入金を確認できる書類」等 | ||
受けている期間 | 「建設業許可通知書」 | なし |
A欄及びB欄の書類において過去の実務経験の内容を証明し、C欄の書類において必要な期間の常勤を証明します。
指導監督的実務経験を証明する書類(指導監督的実務経験が要件となる場合)
次のとおりです。(A欄+B欄+C欄の書類で証明します)
A欄 | B欄 | C欄 |
「契約書」 | なし |
次のいずれかの書類 「健康保険被保険者証(事業所名及び資格取得年月日記載のもので、現に在職している場合に限られます)」 「厚生年金加入期間証明書」 「被保険者記録照会回答票」 「住民税特別徴収税額決定通知書」 「法人税確定申告書(表紙+役員報酬手当等内訳書)」 |
「注文書」 | A欄に対応する「請書の控え」 |
A欄及びB欄の書類は、「指導監督的実務経験証明書(様式第10号)」の内容欄に記載した全ての工事について求められます。
令第3条に規定する使用人に係る確認書類
現在の常勤性を証明する書類は経営業務の管理責任者に係る確認書類と同様です。
なお、本人に代表権のない場合は辞令又は委任状等により、見積り、入札、契約締結等の権限を有していることを証明する書類も求められます。
営業所(主たる営業所も含む)に係る確認書類
次のとおりです。(A欄+B欄+C欄の書類で証明します)
建物の使用権限 |
A欄 | B欄 | C欄 |
所有権の場合 | 「登記簿謄本」 |
次の全ての箇所に係る営業所の撮影年月日入りの写真 「営業所の外観(建物の全景が確認できるもの)」 「営業所の入口付近(名称が確認できるもの)」 「営業所の内部(主たる執務室の状況が確認できるもの)」 「エレベータホール等にある案内板(ビル内部に営業所がある場合にのみ必要となります)」 「建設業法第40条に規定する標識の写真(新規又は許可換え新規で標識をまだ掲げてない場合には必要ありません)」 |
「営業所所在地付近の案内図(営業所の所在地、最寄り駅、公共公益施設等の位置を明示したもの)」 |
「固定資産物件証明書」 | |||
「固定資産評価額証明書」 | |||
賃借権の場合 | 「賃貸借契約書(賃貸借期間満了後自動更新している場合は、領収書や振込明細等の直近3ヵ月の賃料の支払いが確認できる書面を求められます)」 |
建設業法第40条 建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
健康保険等の加入状況に係る確認書類
次のとおりです。(A欄+B欄の書類で証明します)
A欄(健康保険及び厚生年金保険加入の確認資料) | B欄(雇用保険加入の確認資料) |
「健康保険及び厚生年金保険の保険料領収証書」 |
次の全ての書類 「労働保険概算確定保険料申告書」 「労働保険料の領収済通知書」等 |
「健康保険及び厚生年金保険の保険料納入告知額・領収済額通知書」 | |
「健康保険及び厚生年金保険の納入証明書」 |
財産的基礎等に係る確認書類
一般建設業において最終の事業年度に係る貸借対照表(様式第15号又は様式第18号)の自己資本の額が500万円未満の場合は、次のとおり資金調達能力を証明する必要があります。(A欄又はB欄いずれかの書類で証明します)
A欄(基準日が初日算入により申請直前2週間以内のもの) | B欄(発行日が初日算入により申請直前2週間以内のもの) |
金融機関発行の「500万円以上の預金残高証明書」(※1) | 金融機関発行の「500万円以上の融資可能証明書」(※1、2) |
(※1)「残高証明書」と「融資可能証明書」の合算は認められません。また、2枚以上の「残高証明書」を合算する場合は基準日が同じ日付のものでなければ認められません。
(※2)「融資可能証明書」は現に融資を受けることまでは求められていませんが、金融機関によっては実際の融資を前提とせずにこのような証明書の発行には応じて頂けないケースもあります。
なお、特定建設業許可を個人事業主が新規申請する場合には、金融機関発行の「純資産合計の金額以上の預金残高証明書(基準日が初日算入により申請直前2週間以内のもの)」又は「純資産合計の金額以上の融資証明書(発行日が初日算入により申請直前2週間以内のもの)」が必要となります。
また、特定建設業において資本金要件を後の増資等によって満たした場合には「資本金増資の変更届出書の副本」の提示が必要となります。